月刊 秋野ちひろ
1月

Monthy Chihiro AKINO
JANURARY
「flower pattern pillow」

ぐっすり　ふとん
すやすや　昼寝　まどろみ
パジャマ　朝寝坊　ベッド

いつでも寝ていたいのです。
眠ることが好きで、睡眠にまつわる単語を思い浮かべるだけでうっとりします。

四角く膨らみ、そしてへこむボリューム感。
枕は繰り返してつくっているモチーフの一つです。
シルエットを線に落とし込み　膨らませ　それを宙に浮かべる。

今こんな時だからこそ
夢が見たいなと思い
初めて花柄の枕をつくりました。

ボンボンと叩いてふくらまし
花柄に頭をそっと沈めて
今日も夢を見る。
グッドスリープ。

ー　秋野ちひろ


約W600mm x D270mm x H500mm
真鍮

* 色止めをしておりますが
真鍮の特性上、少しずつ光沢が落ち着いてきます。


略歴）
秋野ちひろ
1979年生まれ
2002年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科金工専攻卒業
真鍮を用いてオブジェを中心に制作しています。


ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.


「吊り下げに興味ありませんか？」
「吊り下げってなんですか？」
という会話から始まったこの連載。
ひと月に一作品、秋野ちひろの現在的吊り下げが送られてきます。
叩いたり、焼いたり、矢擦ったり、磨いたりして
線をかたちにしています。


ロングスリーパーという共通性がある私たち。
多くの時間を寝どこで過ごしている人間にとっては
相棒のような存在の枕。それもまさかの花柄入り！
横から下から眺めていると、豚のお尻に見えたり、花のダンスに見えたり…
吊るすと風もないのにベッドメリーみたいにゆっくりくるくると回っていました。
望むは何の不安も哀しみもない安眠。せめて夢くらいは。