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月刊 原田教正
3月
「打点と連続」

Monthly Kazumasa
MARCH
/ 打点と連続



3月、鎌倉での展示が終了した。とても大きな吹き抜けの空間にベルリンで撮影した原生の森の写真を飾り、その対になる市街地で撮影した写真をブックレットにまとめ展示した。全く異なる背景と時間を辿り形成された森と都市の光景が、実際には大差のないものとして目の前に存在している。その二つを客観的かつ連続的に捉えて並べることで、人が潜在的に抱えている思い込みや、時間に対する概念を、私自身にも問い直そうとした展示でもあった。

写真を学んでいた学生時代、ゼミが終わるとよく教室に残され、部屋にある35mm判ほどの比率の窓を山崎博と共に黙って見つめたことを時折り思い出す。それは30分だったか、1時間だったかもしれないが、いつしかそれ自体は重要ではなくなり、窓の向こうで起こる些細な変化とその連続性だけが見えてくる。そしてフレームの外側から時々何かがやって来て、去っていく。あの感覚は、まさに写真そのものだった。

あれから10年。今は、ただ窓の中に時間を留めるだけでは物足りない。注意深く目を凝らし、もう少し連続的に時間と関わっていたい。写真はいつも、時間を視ているのだから。


ー 原田教正



H350mm x W220mm x D40mm
glossy paper inkjet



原田教正 | Kazumasa Harada
1992年東京生まれ。2016年に武蔵野美術大学映像学科卒業後はコマーシャルフォトグラファーとして活動する傍ら、積極的に展覧会や写真集の制作を続けてきた。2020年には初の写真集『Water Memory』を刊行し、その後『An Anticipation』『Obscure Fruits』などを刊行。2023年にはベルリンでの滞在制作を経て『時間の園丁』(南青山information)での展示や写真集『My origin photographs』を新たに刊行。2025年9月から本格的に制作拠点をベルリンに移す。

https://www.kazumasaharada.com/