Kit ONLINE
0 item
カテゴリーで絞り込む

月刊 秋野ちひろ
3月

Monthy Chihiro AKINO
March
「満ちる」

底まで覗くことができる
緑色の小さな池。

光と水で
ふちまでたっぷりと満たされた。

そのかたまりを取り出して空中に放り投げた。



ー 秋野ちひろ


約W420mm x D125mm x H355mm
真鍮

* 色止めをしておりますが
真鍮の特性上、少しずつ光沢が落ち着いてきます。


略歴)
秋野ちひろ
1979年生まれ
2002年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科金工専攻卒業
真鍮を用いてオブジェを中心に制作しています。


ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.


「吊り下げに興味ありませんか?」
「吊り下げってなんですか?」
という会話から始まったこの連載。
ひと月に一作品、秋野ちひろの現在的吊り下げが送られてきます。
叩いたり、焼いたり、矢擦ったり、磨いたりして
線をかたちにしています。


---
3月

時どき、冬から春の1頁をめくるような暖かく穏やかな日があったかと思うと、花に嵐の例えの日もある。
− 御所では桜が咲き始めたらしいよ?
もうそんな言葉が聞こえ始めた。

長く寝過ぎたせいだろうか(まだ寝ている)まだ夢うつつで体は鈍いけれど、そろそろ動ける気がする。

冬の間、溜まりに溜まった表面張力のプールもそろそろ溢れる頃だ。
澱かと思っていたそれは意外と朝露みたいにキラキラしていて、美味しい気がする。